春の風に誘われて。窓辺に集う3匹の猫たち

長かった冬がようやく終わりを告げて、
窓の外に春の光が満ちはじめたある日のこと。
「今日はあったかいなぁ」なんて思いながら、
久しぶりに窓を少しだけ開けてみました。
その瞬間──
すかさずやってくる3匹の気配。
ミルク、レイ、パン。
うちの猫たちが、どこからともなく現れて、
まるで事前に打ち合わせでもしていたかのように、
ぴたっと窓辺に集合しました。
誰かが「おーい、窓開いたぞー!」って言ったわけでもないのに。
誰も何も言ってないのに、全員一致で“そこに集まる”。
猫たちって、本当に風の音とか、匂いの変化に敏感ですよね。
そして、窓の前にずらっと並んだ3匹は、しばらく無言。
耳をピクピク、鼻をクンクン。
目は外に向けられているけれど、焦点が合っているかどうかはナゾ(笑)
でも、彼らにとってはそれが**“春の情報収集”**なのです。きっと。
まず真ん中にはミルク。
最年長らしく、風のにおいをじっくりと吟味している様子。
「ほほう…これは今年の春の香りね」とでも思っていそうな、落ち着きっぷり。
右端にはレイ。
あまり鳴かないし控えめな性格だけど、
こういう「なんとなく心地よい場所」には、さりげなく参加してくるタイプ。
まるで、「私も春、感じておきます」って顔で座ってました。
そして左端にパンくん。
とにかく何でも新しいものに興味津々な末っ子。
今回も、鼻をフンフン鳴らして大興奮。
風に舞う葉っぱが1枚でも目に入ろうものなら、即“狩りモード”に入りそうな勢い。
この3匹が、珍しく同じタイミングで並んでいる姿は、やっぱりちょっとレア。
でもそれよりもなによりも──
**みんながそれぞれのペースで“春を感じている”**ように見えたのが、
なんともほっこりする光景でした。
冬のあいだ、窓はずっと閉まっていたし、
外の空気を感じる時間は、ほんの少しベランダの戸を開けたときくらい。
それが今日、やっと「春の風」が家の中に入ってきた。
そんな“自然の変化”をいち早く察知して、
音もなく集まり、静かに風を楽しむ猫たち。
見ているこちらまで、なんだか春の訪れを“じんわり”と感じるような気がしました。
こういう瞬間って、猫と暮らしているからこそ出会えるものかもしれません。
何か特別なことをするわけじゃない。
誰かと喋るわけでもない。
ただ、同じ風を感じて、同じ時間を共有しているだけ。
でも、その“さりげなさ”が、すごく贅沢で、あたたかい。
そして猫たちは、それが終わるとサッと解散。
「じゃ、春の確認終了ね」みたいなテンポ感で、
誰かはソファへ、誰かは日なたへ、誰かはフードボウルの前へ。
この“団体行動っぽく見えて、超自由”な感じ。
まさに猫。まさに我が家の日常。
私はというと、その後もしばらく窓のそばにいて、
外から入ってくる春の匂いを、ちょっとだけ深呼吸してみました。
──うん、やっぱり、いい季節。
猫たちが教えてくれた“春の始まり”。
今年もまた、こんな穏やかな時間が積み重なっていくんだろうな。
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