猫じゃらしより、結束バンド

猫という生き物には、実にたくさんの“謎”があるのですが、その中でもトップクラスに解き明かされないテーマがあります。
それは──
「なぜ、猫は高価なおもちゃより、身の回りのものに夢中になるのか?」
本日、その疑問にまた一石を投じる事件が発生しました。
我が家のレイちゃん(3歳・おしとやか系女子)とパンくん(1歳・おてんばボーイ)が、突然1本の結束バンドに夢中になりはじめたのです。
そう、あの電気コードとかをまとめるアレです。
猫のためのものではなく、完全に人間の生活用品。
ましてや、これで遊ばせようと思ったわけでもなく、たまたま机の上に置いてあったそれに…くいつく、くいつく。
レイちゃんが前足でちょいっ。
パンくんが飛びかかってカミカミ。
なんと、2匹で取り合いまで始める始末。
え、これそんなに魅力ある!?
昨日買ったふわふわ猫じゃらしの立場は!?
羽がついて鈴まで鳴る高級おもちゃ、今日見向きもしなかったのに!??
…と、人間側は完全に置いてけぼりです(笑)
でも、猫たちの目は真剣そのもの。
レイちゃんなんて、普段はあまり動じないのに、この日はずっと結束バンドの動きを目で追ってる。
パンくんはというと、口にくわえてスタスタどこかへ運ぼうとする始末。
たしかに、結束バンドってちょっと細くて軽くて、先っぽがピョンピョンしてて…
猫的には“気になる要素”がたっぷり詰まってるのかもしれません。
でもでも…!
それならせめて「猫用結束バンド風おもちゃ」とか作ってくれたら、買うのに!
いや、違うな。
きっとそれ作っても、レイちゃんとパンくんは本物の結束バンドのほうに食いつくに違いない。
これが、猫の本能。
そして、飼い主の“報われない愛”。
私たちは、猫のためにおもちゃを選び、悩み、時にはAmazonレビューまで読み漁り、「これはきっとウケる!」と確信して買ってくるのですが…
その努力は往々にして、「そのへんに転がってた輪ゴム」に負けるのです。
そして今回の敗者は──猫じゃらし。
栄光の勝者は、無名の結束バンド。
……くやしいけど、楽しそうだからいいか(笑)
それに、レイとパンが一緒に遊んでいる姿って、なかなかレアなんです。
性格が違うから、一緒にいるときはだいたい“別行動”なんですが、
この日は結束バンドをめぐって小さなタッグバトルのような空気に。
レイがパンをチラ見しながら「私のほうが上手に転がせるけど?」みたいな顔をして、パンはパンで「いやいや、これは俺が見つけたんだけど?」という顔でくいつく。
もうね、そのやり取りが可愛くてたまらない。
結束バンドひとつで、こんなにも盛り上がってくれるなんて──
家にあるものって、案外“最高のおもちゃ”なのかもしれません。
もちろん、遊ばせるときは絶対に目を離さず、
かじって飲み込んだりしないよう注意が必要です。
遊び終わったら、さっと回収して封印!これ大事。
猫たちの「予想外の反応」って、ほんとに毎日がサプライズ。
買ったおもちゃが外れたって、それはそれ。
何気ない日用品にときめく猫の姿を見られる、それだけで十分うれしい。
今日もまた、猫たちに学ばされました。
「お金じゃない。トキメキはどこにでも転がっている」ってね。