甘えん坊パンくんをぺろぺろ

猫たちのやりとりを見ていると、人間よりもずっと素直で、あたたかく、時に深い絆を感じる瞬間があります。
今日紹介するのは、我が家の猫たちのほっこりシーン。
静かで控えめなレイちゃんが、末っ子のパンくんをやさしく舐めてあげている動画です。
3歳になるレイちゃんは、普段はあまり鳴かず、自分のペースを大切にする“孤高の猫”。
一方で、1歳の茶トラのパンくんは、元気いっぱいで甘えん坊。
いつも誰かにくっついていたい、典型的な末っ子気質の男の子です。
ふだんはレイちゃんの後をこっそりついて回ったり、横にピタッとくっついたりと、パンの“好き好きアピール”が目立ちます。
でもこの日は逆でした。
レイちゃんのほうが、そっとパンくんの顔をなめてあげていたんです。
ぺろ、ぺろ…と静かに。
パンくんは目を閉じて、じっとその優しさを受け止めていました。
猫同士のグルーミング(毛づくろい)は、信頼関係の表れだと言われています。
母猫が子猫をなめるように、仲間として心を許している相手にしかしない行動。
そんな“猫同士の思いやり”のひとときを、こうしてそばで見守れることに、私はとても幸せを感じます。
パンくんは、ミルクにもレイにもよく甘えますが、レイに対しては少しだけ“お姉ちゃんっぽく”接しているのか、どこか控えめです。
でもレイの方は、たまにこうして愛情をそっと返してくれる。
まるで、「わかってるよ、あなたが私のこと大好きだってこと」
そんなふうに語りかけているようにも見えました。
猫たちの世界には、言葉がありません。
でも、そのしぐさや目線、距離感から、たくさんの気持ちが伝わってきます。
レイがパンをなめるのは、決して毎日のことではありません。
気まぐれなレイちゃんですから、機嫌や気分次第ではぴしっと距離を取る日もある。
だからこそ、こうした「レアなぺろぺろタイム」に出会えたときの嬉しさは格別です。
ミルク、レイ、パン──
我が家の猫たちはそれぞれがまったく違う個性を持っていて、その関係性も日々変化しています。
誰かが成長すると、誰かとの関わり方も変わる。
そんな日常の変化に気づくことが、猫と暮らす醍醐味のひとつなのかもしれません。
レイにとってパンは、きっとちょっと“めんどくさい弟”でありながら、守ってあげたい存在。
パンにとってレイは、“ちょっとこわいけど優しいお姉ちゃん”。
そんな絶妙な距離感が、とても心地よさそうに見えます。
猫たちの世界は、私たちに「言葉のいらないやさしさ」を教えてくれる。
レイのぺろぺろと、パンのうっとり顔──
その姿を見ながら、また今日も、心がふわっとあたたかくなったのでした。