50代から始めるiDeCo|年末調整で税金が戻る、節税しながらの積み立て
前回の記事で、私が新NISAを「貯金代わり」に積み立てている話を書きました。実はもうひとつ、iDeCo(イデコ)も並行して続けています。
iDeCoには、NISAにはない大きな魅力があります。それは「節税」です。NISAは利益が非課税になる制度ですが、iDeCoはそれに加えて、積み立てたお金そのものが税金の計算から差し引かれます。会社員の私の場合、その手続きは年末調整で済みます。
今回は、まもなく60歳の会社員が、楽天証券のiDeCoをどう使っているのか、年末調整での節税体験もふくめてお話しします。
iDeCoは「自分でつくる年金」です
iDeCoは、ひとことで言うと、自分で積み立てて自分で運用する私的年金です。毎月決まった額を出し、投資信託などで運用して、老後に受け取ります。
国の年金(厚生年金や国民年金)にプラスして、自分専用の年金をもう一段つくるイメージです。あくまで老後のためのお金なので、原則60歳までは引き出せません。ここが、いつでも引き出せるNISAとの大きな違いになります。
いちばんの違いは「掛金が所得控除になる」こと
NISAとiDeCoの差が一番出るのが、税金です。
NISAは「増えた利益」に税金がかかりません。一方iDeCoは、それに加えて「積み立てた掛金そのもの」が、その年の所得から丸ごと差し引かれます。これを所得控除といいます。所得が低く計算されるぶん、納める所得税と、翌年の住民税が軽くなります。
会社員の場合、この手続きは年末調整でできます。秋ごろに届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」を会社に提出するだけです。私も毎年これを出していて、その年の所得税が戻ってきたり、天引きされる額が減ったりするのを実感しています。掛金を出しながら、同時に税金が軽くなる。この二重のメリットが、iDeCoを続けている一番の理由です。
私の積み立て方(楽天証券・オルカン・少額・毎月)
中身は、前回のNISAと同じ考え方です。楽天証券のiDeCoで、全世界株のインデックスファンド(オール・カントリー、いわゆる「オルカン」)を、少額ながら毎月コツコツ積み立てています。
世界中の会社にまとめて分散できて、手数料も安い。NISAと同じく、一度設定したらほったらかしです。金額を大きくする必要はなく、私も無理のない少額からにしています。老後まで十数年も持ち続ける前提なので、毎月の負担が軽いほうが続けやすいからです。
注意点その1:60歳まで引き出せません
iDeCoの最大の注意点は、原則60歳まで引き出せないことです。
急にお金が必要になっても、iDeCoのお金は使えません。ですから、生活費や近いうちに使う予定のお金は、絶対にiDeCoに入れないでください。すぐ使えるお金は預金やNISAで持ち、当面使わない老後資金だけをiDeCoに回す。この線引きが大事です。
私はこう使い分けています。NISAは「いつでも引き出せる、柔軟な貯金代わり」。iDeCoは「引き出せないけれど、節税できる老後専用」。性格の違う2つを組み合わせることで、目の前の安心と、老後の備えの両方を持てます。
注意点その2:50代から始めるなら「受け取りの年齢」に注意
50代から始めるときに、もうひとつ知っておきたいのが受け取り開始の年齢です。
iDeCoを60歳から受け取るには、通算の加入期間が10年以上必要です。たとえば57歳や58歳から始めると、60歳の時点では加入期間が10年に届かず、受け取り開始が少し後ろ倒し(加入期間に応じて、最長65歳まで)になることがあります。「60歳になったらすぐ受け取れる」とは限らない点は、始める前に知っておいてください。
さらに、勤務先から退職金が出る方は、出口でもうひと工夫が必要です。iDeCoを一時金で受け取る時期と退職金を受け取る時期が近いと、税金の優遇(退職所得控除)が重複して目減りすることがあります。2026年からはこのルールが「5年ルールから10年ルールへ」と変わり、より長い間隔が求められるようになりました。退職金がある方は、受け取り方と時期を早めに考えておくと安心です。
2026年末の改正で、さらに使いやすくなります
iDeCoは2026年12月から、50代にとってうれしい方向に変わります。
ひとつは、加入できる年齢の上限が、これまでの65歳未満から70歳未満へ引き上げられること。50代から始めても、運用できる期間を長く取りやすくなります。もうひとつは、掛金の上限が引き上げられること。企業年金のない会社員なら、毎月の上限が大きく広がる予定です。「今からじゃ遅いかな」と感じていた方こそ、この改正は追い風になります。
まとめ:NISA+iDeCo、そして副業の三段構え
私がやっていることを整理すると、こうなります。NISAでいつでも使えるお金を柔軟に育て、iDeCoで節税しながら老後資金を積み立てる。そして、その元手は副業で稼いだお金からも回す。
派手な投資はしていません。楽天証券で、オルカンを、毎月少額ずつ。それを2つの制度で続けているだけです。それでも、まもなく60歳の私が、税金の優遇を受けながら無理なく将来に備えられています。稼ぐ力(副業)と、育てる仕組み(NISA・iDeCo)。この組み合わせを、これからも淡々と回していきます。
※本記事は、私個人の体験と考えを紹介するものです。iDeCoは原則60歳まで引き出せず、運用次第で資産が掛金を下回る場合もあります。税金の取り扱いや受け取り方は個人の状況によって変わるため、最終的な判断はご自身の責任で行い、制度の最新の内容は厚生労働省・各証券会社の公式サイトでご確認ください。
