レイちゃんに毛布をかけたら、怒られた(ような気がした)

ある日、我が家のレイちゃんが、ふわふわ毛布の上で気持ちよさそうに眠っていました。
その姿があまりにも尊くて──これはもう、”猫神様のおやすみ姿”だ…!と心の中で手を合わせながら、私はそっと毛布を取り出しました。
「もっと、あったかくしてあげよう」
そう、親心です。
完全に親心。
優しさ100%、無添加・無香料の思いやり。
でも、やっぱりというか、案の定というか……
レイちゃん、目を開けました。
「……今、起きるつもりなかったんだけど?」
その目は完全にそう語っていました。
いや、うん、ごめん。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、気を利かせたつもりだったのよ。
寝ているレイちゃんに毛布をそっとかけた瞬間、
「え、なに?なんで今?静かに寝てたのに…」
という顔でこちらを見上げるあの顔。あの絶妙な表情。
まるで、人間だったら「いや、大丈夫なんで。お気遣いなく」って言ってるレベル。
あれほど「やさしさって難しいな…」と感じた瞬間はありません(笑)
でもね、レイちゃん。
あなたが気持ちよさそうに寝ている姿を見ると、
なんかこう…「あったかくしてあげたい」って思っちゃうのよ。
冬の母性本能(猫限定)がムクムクしちゃうのよ。
それに、あなた普段からクールじゃない?
あんまり甘えてこないし、声も出さないし、寝るときも人間のそばにはあんまり来ない。
だから、たまにこうして“お世話っぽいこと”をさせてくれると、
こっちは嬉しくなって、張り切っちゃうんだよね。
つい、毛布とか…かけたくなっちゃうんだよね。
…結果、寝起きにジロリと見られて、申し訳なさ100%で後ずさりするんですけども。
それにしても、猫って本当に敏感です。
毛布の重み、気配、空気の流れ。
全部察知して、すぐに「なにかが違う」と気づく。
でも、そんな気配り上手のレイちゃんが、すぐには怒ってどこかへ行かなかったのが、ちょっぴり救いでもありました。
じーっとこっちを見るその目に、「まぁ、次はもう少し静かにやってくれると助かるよ」とでも書いてあったような、そんな気もします。
結局、毛布はふわっと体の上に乗せられたまま、レイちゃんは少しだけもぞもぞして、そのまままた目を閉じました。
「あー、許されたのかな?」
そう思いながら、そっとその場を離れてみる。
その後、遠くからそっと覗いたら──
また丸くなって寝ていました。毛布をちょっとはみ出しながら(笑)
やさしさは、受け取ってもらえると嬉しい。
でも、タイミングを間違えると、ただの迷惑になる(特に猫界では)。
そんなことを学んだ、冬の午後でした。
レイちゃん、ごめんね。そしてありがとう。
また静かに、そ~っと、今度はばれないように…こっそり毛布をかけてみるから、どうか次は許してね。