一通の手紙
一通の手紙が届きました。
送り主は、母が生前、ガンで入院していた病院で同じ病室だった女性の方からです。
母の隣のベットにいて、その女性の方が先に退院する際に「母と別れるのが寂しい」と泣いてくれた方からでした。
心のこもったお手紙に、私は思わず涙してしまいました。
はじめまして、〇〇〇子と申します
お母様が亡くなられて半年ですね・・
新聞で訃報を知り、お参りに伺いたかったのですが、私も今年の5月末に乳がんの手術をうけ、6~7月放射線治療、現在も薬での治療中で、先月20日に6回目の退院ができました。
私がお母様と初めてお会いしたのは去年の4月
○○病院に検査入院した時でとなりのベッドにいらして点滴中の私の食事のお膳を下げてくれたり、5日間の入院中、消灯時間を過ぎても話が盛り上がり看護師さんに注意されました。
私の悩みをたくさん聞いて下されて励ましていただきました。
その時には、昔、乳がんの抗がん剤治療で辛い思いをしたので、今回は治療を受けたくないと話していました。
3人の子供がいて、ちょうどその時、娘さんも婦人科の手術で入院中で、仲良さそうなお二人を見てとてもうらやましかったです。
山形にいる息子が部屋を片付けていつでも来れるようにしていると言っていました。
その後も電話のやり取りや、去年は3回お見舞いというかお顔を見に行きました。
12月10日には手作りのエプロンと鍋つかみを娘さんの車でわざわざ自宅まで届けてくださいました。
体調の良くない中作ってくれたことがとても嬉しかったです。
今年、お見舞いに行けたのは1月でその時は、体が辛そうで食事もあまりとれていなくて、ちょうど娘さんが買ってきてくれたアイスクリームを食べていました。
それでも私が帰る時、エレベーターの所まで送って下さいました。
最後に電話でお話しできたのは4月
○○病院(ホスピス)に入院していて治療もなく
「あとは死ぬのを待つだけなのさあ」
といつものように明るく言ったので
「何冗談言ってるの~負けないで頑張って!私も頑張るから、また会おうね」
と話しました。
また会えると思っていたので本当に残念です・・・
コロナもあり、すぐに会いに行けず悔いが残っています。
いつも自分の体の事より私のことを心配してくれていました。
どんな時でも弱音を吐くことなく明るく優しいお母さまが大好きでした。
去年、○○病院を先に退院する日、暖かい言葉をかけて下さったお母さまの前で思わず泣いてしまった私を優しく抱きしめてくれました。
一生忘れません・・・
お母さまはきっと、空の上からいつでも皆さんの事を見守ってくれていると思います。
どうか気を落とさず、お母さまの分までお元気で日々お過ごしください。
少しですが御仏前にお供えしていただけたら嬉しいです。
それと昨年お見舞いに行ったときに病室で撮った写真を同封します。携帯電話の留守番電話にもメッセージが残っていますのでいつか機会があれば聞いていただきたいです。
○○〇子
2020年12月
母のことをその様に思っていてくれたなんて、とても嬉しく思い、お礼と感謝のハガキを送らさせていただきました。
母さん、喜ぶだろうな・・・